河津桜 2023 その3 片瀬白田-2

 さて、お日様も少し傾き白田川橋梁を渡る車両に低い光線が当たるおいしい時間帯がやってきました。国道の橋へ移動です。先ほどまでの広角から一転、午前中に活躍した長玉を再度装着してファインダーをのぞくと、河津桜と青い海を組み合わせたおいしい構図が飛び込んできました。メインターゲットは、朝の51号の返しの56号、5000番台。通過は、1550ごろ。スマホアプリではこの立ち位置の日没は16:15ごろと予想されますから、サイド光をたっぷり浴びた妖艶なお姿になるはずです。
 次々とやってくる列車で構図を微調整していきます。ところが太陽が低くなるにつれて問題が。どうやら、ドンピシャで車両がギラリとなりそうです。普段なら大喜びですが、桜との組み合わせが主題なので車両に露出を合わせると桜は暗く、桜に合わせると車両は白飛びしそうです。悩み悩んで、本日は桜の色合いが残る露出を選択しました。
 ほぼ定刻に、白地の緑のお姿がしずしずと少し貫通型のお顔を覗かせて登場。私にとってE257の貫通型のお顔は、お世辞にも良いとは言えないものですが、本日は青い海、満開の桜、白に緑の車両とこれぞ春爛漫という色彩の競演に免じて目をつぶります。
 伊豆の海と河津桜に始まった2023年の撮影シリーズはかくのごとく、紺碧の海と艶やかな桜とE257 5000番台の3者揃い踏みによる舞台で無事お開きとなりました。めでたし めでたし。
IMG_5590 5000番台
2023年2月26日 伊豆急線 片瀬白田-伊豆稲取

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河津桜 2023 その2 片瀬白田-1

 前回「河津は卒業」と申しておりましたが、では何処へ?伊豆急沿線なら、お隣の片瀬白田駅付近が私のお気に入りの撮影地です。ここは、河津ほどの数ではありませんが線路や白田川に沿って河津桜並木があり、これをなんとかうまく絡ませることは出来ないかとあれこれ探すのもまたこの趣味の楽しみです。
 午前中に俯瞰ポイントで思いっきり海を楽しんだ後、駅付近にやってくると折しも河津桜は満開から少し過ぎたあたり。花のボリュームは満点です。夜明けからの晴天は昼になっても変わることなく、この分なら日没まで雲の心配は不要でしょう。午後の早い時間は、まだ車体側面に十分に陽が当たらないので、まずは正面がちなところから。幸い、駅進入のため列車はゆっくりと白田川を渡ってくるので思い切った広角で桜を画面の半分、青い空も入れ右隅に車両の先頭がはまるスペースをつくろうと、あと5センチ高く、あと3センチ左とジワジワと納得のいくアングルを探します。 
 今日は、河津臨もあるのでE257やサフィールが次から次へとやってきますが、一番心に残ったのは8000系。東急の通勤車として生まれて半世紀、伊豆急に来てからも約20年。いかにも昭和の通勤電車らしい角張った車体が還暦を過ぎた私の郷愁を誘う上に、伊豆急カラーの濃淡2色の水色ラインが、地味なステンレス車体を引き立たせてくれます。
すぐ後ろの片瀬白田駅からアナウンスが聞こえレリーズを手に取ります。ガタンガタンと鉄橋をゆっくり渡る音が聞こえ、桜の隙間から水色の帯が見え始めた次の瞬間、8000系が桜の中からお顔をひょいと出しました。
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2023年2月26日 伊豆急線 片瀬白田-伊豆稲取

E257 5000番台 踊り子51号 第2弾@片瀬白田俯瞰

 さて稲取俯瞰ですっかり気をよくした5000番台踊り子51号ですが、もう1か所、河津臨で押さえておきたいポイントがございました。それは、片瀬白田-伊豆稲取間の海岸を行く姿を遠望するポイント。午前11時ごろまでしか列車側面に陽が回らない上に距離があるので、朝のスジであることに加え「黄砂無し、PM2.5無し、気温が低い」という諸条件が揃わなくてはクリアな絵をいただけません。
 稲取俯瞰から1週間、河津臨も終わりに近づく週末に絶好の条件、「51号+GPV真っ黒、PM2.5無し、黄砂無し」がそろいました。未明のベランダから見た星の瞬き、現地へ向かう途中で迎えたオレンジから紺色までのグラデーションが見事な夜明け。これはこれは、1年にそう何度もない絶好の鉄日和じゃありませんか!
 現地に到着し三脚を立て500mmと300mmの2台体制でセット完了。眼前には青い青い海が広がり、その先に海岸線の崖っぷちを行く鉄路がくっきりと見えます。正面には利島、新島、神津島が鎮座ましまして三宅島もうっすらとその姿が拝める素晴らしい条件の中、明るい日差しを受けながらその時を待ちます。
 やがて、9時30分ごろにR21のキンメ電車が下っていきます。青い海に赤のコントラストが強烈です。改めて構図とピントを確認。さあ次です。立ち位置から片瀬白田駅方面に目を凝らすと白地に緑を配した列車がゆっくりと通過していきます。列車は、漁港を通り過ぎ海岸線に寄り添うように崖っぷちに向かって登っていきます。先頭がカーブにかかり始めたところでレリーズを持つ指先にぐっと力を入れました。
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 こちらは、300ミリで大海原をいっぱいに。
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2023年2月26日 伊豆急線 片瀬白田-伊豆稲取

さて お次は185

  さてお次は185。ここでの出会いは、実に7年ぶりとなります。編成は6連。ありがたいことに、8000系が河津桜対応で6連となりどんどんやってきますのでそれを参考にアングルを固めます。ぴったりなら架線柱4つ分ですが、あんまり引きを取ると圧縮効果でイモムシ化の危惧。一方、ありがたいことに立ち位置拡大のおかげで縦位置でもたっぷり海を入れた構図がとれますので、横位置は架線柱5つ分、縦位置は4つ分で決済。直前の2000番台踊り子をピン電にするという贅沢な準備で仕込み完了。よしよし。
  昼には曇りという天気予報もありましたが、ありがたいことに晴天が続きます。さあ来い。ほぼ定時に、トンネルから見慣れたお顔が登場。架線柱4本目、5本目と順番にレリーズをおしこみます。久々の素敵なストライプ編成は、聞き慣れたMT54サウンドを響かせてタイフォン一発トンネルに入っていきました。思わずガッツポーズ!
さて、帰宅後PCで確認すると何か微妙におかしい。うーん、HMが白幕なんですよねえ。こういうのをまさに画竜点睛を欠くっていうところでしょうか。とは言え、7年ぶりの185@稲取俯瞰。E257 5000番台とあわせて最高に幸せな2023年の撮影スタートとなりました。
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2023年2月18日 伊豆急線 伊豆稲取-今井浜海岸

E257 5000番台 踊り子51号@稲取俯瞰

 新年からずっとお休みしておりました。何のことはない、撮影に出かける暇も無く過ごしていただけです。ということで、2月も半ばでようやく本年の初撮影と相成りました。しかも「こいつをここで!」とここしばらくその日を虎視眈々と待ち続けたその日の到来となりました。
 波動輸送用に準備された5000番台ですが、寓居近くの大船で最初見たときから「こいつが185の後継車なら追っかけたのに・・・」とぞっこん惚れ込んでおりました。(どうせならストライプにすればもっと面白かったんでしょうがね)。2000番台に比べて、映えますよねー。そして、夢に思い描くのは、踊り子運用で稲取俯瞰を行く5000番台。
 いずれ河津臨での運用があるんじゃないかと期待しておりましたが、ほいほい51号・53号への運用が*ヤ情にキラキラ輝いておるではありませんか。しかも、ちょっと探ると2月18日には185の団臨も。「こりゃお祭りじゃないの」と天気予報をにらみつけ、念力を投入して前日は禁酒で早々に就寝してその日を迎えました。
 稲取俯瞰へは、一昔前に通い倒してすっかり卒業気分。そうそう最後に訪問したのは2016年。その後の185引退の時期をへてさてどう変わっているか・・・
 早朝に現地着。記憶を頼りに行くと、何とかつては獣道を行くという感じでしたが、しっかりした道がついており、なんとまあ、お立ち台は以前の数倍に広がっているではありませんか。まあ、時の流れとともに消え去った撮影地は浜の真砂のごとくでありますが、時とともにこういう事例もあるんですねえ。
 一番乗りでベストポジジションを確保。踊り子51号は9連ですからかつての踊り子の記憶でアングルを固めます。はじめ、朝日に赤く照らされていた海は、陽が昇るにつれて青みを増していきます。青いという表現を超えた伊豆急沿線ならではの群青色にも近い深い色と白く砕ける波、うっとりするような光景の中。思い焦がれたその時がやって参りました。伊豆稲取発車から数分、高まる緊張の中、トンネルから白地に緑の優美な編成登場。ここぞとレリーズを押し込みます。ああこの達成感、この一年もお世話になります!!
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2023年2月18日 伊豆急線 伊豆稲取―今井浜海岸


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Author:Tomo
鉄路の四季を追い続けて幾年月。鉄路の主役は変わっても美しい四季のたたずまいを追い続けたいです。時には、大好きな音楽とお酒の話題も。

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